2009年5月21日木曜日

『垂直統合と水平連携』 ~オープン化へ向かいつつある携帯電話業界とITインフラ業界の相反する方向性~

一人一台の成熟市場を迎えつつある携帯電話。
20日付けの新聞見出しでは、『携帯メーカー我慢比べ』『夏携帯 新規性に苦慮』『機能面で弾切れ感』と、成熟する市場に輪を掛けて、提供側も機能向上、魅力的な製品の提供に頭を悩ましている。

今、携帯市場では垂直統合から水平連携というオープン型のモバイル環境へ移行することで、活性化を狙っている。従来、端末機器、アプリケーションからコンテンツサービスまで、自由度が少なかった領域が コンテンツ・アプリケーションレイヤ、プラットフォームレイヤ、課金サービスレイヤ、物理網レイヤ、端末レイヤなどの各レイヤで様々な自由度をもって提供され始めてきた。日本通信のMVNOはそのひとつと言える。

一方、ITインフラの領域では、従来、サーバーやPC、ノートブックを提供するハードウェア会社から、データベース、アプリケーションサーバー、開発ツールを提供するソフトウェア会社、そして、アプリケーションを開発する会社と、各々のレイヤで競い合い市場に様々な技術、製品を提供してきた。

しかし、一ヶ月前の Oracle が Sun Microsystems を74億ドルで買収するとの発表に関して、元サンのJavaチーフエバンジェリストである Miko Matsumura 氏が以下のように語っている。

「OracleのSun買収は業界垂直統合の流れの一環」
「結果としてユーザー企業のシステムがベンダーにロックインされてしまう可能性がさらに高まる可能性がある」 @zdnet

Sunは標準技術、オープンインタフェース、オープンソースベースの製品でユーザーに選択肢を与え続け、ベンダーロックインからの解放! ということを謳い続けてきた。Oracleに買収されたことで、標準技術、オープンインタフェース、という方針に変わりはないだろうが、製品が垂直統合されることで結果的にベンダーロックインになる可能性は否めない。

これは、ITインフラがコモディティ化されてきた結果であろうが、そのITインフラ上で稼動するアプリケーションやサービス群は、他社との差別化や競争優位性を高めるためにサービス間、アプリケーション間の連携が重要になってくる。

ITインフラの垂直統合は、稼動するアプリケーションやサービスを水平連携させるために、SOA や SaaS 市場をより加速させていくだろう。( by 天空雄のオヤヂ )